2006年のタウン誌「弘前」の表紙の写真を、本会を通じて会員の菊池弘保さんと、飛鳥和弘さんが担当し、表紙の弁の補遺を三浦事務局長が担当することとなりました。今年一年もよろしくお願い申し上げます。


11月


 イヌワシ・全長81〜89cmの留鳥。山岳地帯にごく少数生息する天然記念物であり「種の保存法」に守られ絶滅が危惧されている鳥である。翼を広げると2mになる大型のワシ。幼鳥は黒っぽく翼・尾羽に白斑が目立つ。岩木山・八甲田山でも観察されているが繁殖が確認されているのは白神山地だけである。広大な縄張りを持ち、樹上や岩の上から獲物を探し、帆翔・旋回から急降下して捕食する。餌はウサギ、ヤマドリ、ヘビなどだ。

(付記) 写真は岩木山の柴柄沢上空で策餌する成鳥だという。
夏には山頂付近の岩場で休む姿を見かけるし、冬は一瞬の晴れ間を飛翔する姿も見られる。地上でうごめく極悪を天空から見透かす鋭い眼光は神に通じているのだろう。
 1986年2月単独で岳登山道尾根を登っていた。猛烈な吹雪で視界はゼロに近い。ホワイトアウトと横殴りの強風の中を這うようにして上をめざす。
 ところが一瞬、頭上の一点が円空で広がり、そこだけに青空が広がった。まさに疑似好天といわれるやつだ。これは瞬く間に消えてしまう青空だ。それを知っているから名残惜しさにその円空を仰ぎ見た。
 鳥がいる。大型の鳥だ。羽ばたくこともせず空に浮かんでいる。イヌワシか。つぶやきながら私の全身は何かにとりつかれたように震えた。頭の先から足下にかけて稲光にでも撃たれたような衝撃が走った。岩木山にイヌワシがいたのだ。 三浦章男

編集長青木さんからのお詫びです。「11月号の表紙の弁の原稿と12月号の原稿を差し違えました。イヌワシのことなのにオオタカのことを記載しています。12月号で訂正・お詫びをいたします。」とのことでした。
 どうか皆様、本HPの文章と差し替えてお読み下さい。


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おまけ
11月の表紙画像の元データ 1 約96kb
11月の表紙画像の元データ 2 約284kb