2006年のタウン誌「弘前」の表紙の写真を、本会を通じて会員の菊池弘保さんと、飛鳥和弘さんが担当し、表紙の弁の補遺を三浦事務局長が担当することとなりました。今年一年もよろしくお願い申し上げます。



 クマタカ・全長72〜80cmの留鳥。低山から亜高山帯の林に生息している。翼下面に白黒のタカ斑模様があり、翼は幅広い。緩斜面のスギ・カラマツや白神山地などでは痩せ尾根のキタゴヨウマツなどに巣をかける。ノウサギ・ヤマドリ・ヘビ・リス・その他などを餌としている。一腹一卵で7月下旬に一羽の雛が巣立つ。
 樹上から餌を探したり、林の中で獲物を狙うことが多く風を利用して帆翔するため無風の時の出現は少なく姿を見ることは非常に難しい。岩木山には若木森などの寄生火山が西側に多く恰好の起伏を形成し、しかも風が吹
きやすい。その上空を席巻するように飛翔するクマタカはやはり岩木山に似つかわしい。

 写真のことは詳しくないが、飛翔しているものをこれだけ鮮明に切りとることは至難だろう。技術や腕を超えた執着心的な情念を、いや鷲・鷹類に対する深い愛情を感じてしまう。
 岩木山に似つかわしいというよりも空な宙(そら)に風のように存在し、地上の人間を含めた悪業のうごめきに鋭い視線を送り続ける神のようでもある。


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おまけ
9月の表紙画像の元データ約44kb