雪崩注意マップについて

こちらでご覧下さい(約209k)(JPG画像ファイル、2003.01.18更新版)

03年4月22日更新 鳥海斜面で全層雪崩・水無沢上部カールでも雪崩が多発 本会事務局長 三浦章男

02年1月の雪崩事故を振り返って 本会事務局長 三浦章男

  岩木山の雪崩に関心を持っていただきありがとうございます。私製の「岩木山で過去に雪崩の発生した地点」地図を公開いたします。なお、利用される場合は「これは私が自分の目で確認したものだけであり、他の場所でも雪崩は発生しているのである。」ということを十分考慮されることを望みます。
 岩木山は不用意、不準備のまま入山されますと恐怖の山となります。降雪・積雪期には、どこでも雪崩が発生するものと考えて下さい。また、厳冬期はいうまでもなく、4月の中旬過ぎまでは山頂付近では−15℃まで気温が下がります。風も強く風速35〜40mに達することもあり、体感温度は−40〜−50℃となります。弘前や遠くから眺められる優しい姿は人智を越えた厳しさを秘めているのです。
 今年(2002年)2月10〜11日に仲間4人で、ヴァリエーションルートである扇ノ金目山コースを辿り、赤倉大開、巌鬼山、山頂、岳へと岩木山を北東から南西に縦断しましたが、途中腰までの積雪、ガリガリのクラスト、−20℃以下の低温、35mを越える強風に遭いました。そのため11日は8時間以上の行動となり、顔面と首筋が凍傷になりました。
 新雪雪崩の発生は、斜面に積もっている雪層(弱層)が崩れることによります。ですから、物理的にはあくまでも自然発生的です。ところが、殆どの「雪崩事故」は人為的な刺激が加えられることで発生しています。
 私は岩木山で3回雪崩に巻き込まれ、流され埋まったことがあり、やっとの思いで這い出しました。運がよかったの一語に尽きます。1回目は3月、毒蛇沢の源頭部で新雪で出来た雪庇を自分が踏み落として一緒に流れたのです。この時は後ろに2人いて「突然私が消えた」と言っていました。2回目は1月、耳成岩南面の縁を視界5mぐらいの中をスキーで斜降しながら、自分がぶつかった塀状の吹き溜まりが崩れ、それによって発生した雪崩に巻き込まれたものです。3回目も1月で、スキー場尾根を登りブナ林帯を抜けた辺りの小さい沢を登っていた時でした。沢の下部の深い新雪の中で、スキーをとられてもがいていたら、右岸から流れ落ちてきた新雪に埋まったのです。2回目、3回目は単独登山でした。私の冬山登山の95%は単独です。また、雪崩に巻き込まれはしませんでしたが、雪庇や雪渓上部の踏み落としは数回しています。いずれにしても、流されたり埋まった時の初動原因には、「自分の行為・行動」がありました。


写真による岩木山の雪崩の解説のページへ

 写真は岩木山の後長根沢で見つけた雪崩の跡、ピッケルの長さは50センチです。私達の身近でもこんな雪崩が起きています。
 


 もっと詳しく雪崩のこと(発生理由・人為的、自然的。流された時の対応・脱出方法。雪庇の踏み抜きをかわすとっさの行動等)を知りたい方には、三浦章男著・山のはなしあれこれ(II)、(III)『おお悲し泣くはみちのく岩木山』『陸奥の屹立峰・岩木山』の一読をお薦めいたします。問い合わせは、直接著者本人まで!
著書紹介ページへのリンク http://www.iwakisan.jp/book01.html