2005年10月25日

不法伐採への行政の対応、登山服装について

 県自然保護課から岩木山環境保全協議会各位あてに、次の文書(不法伐採に対する注意書)が送付されました。これは本会HP 『岩木山の現場から ・2005年9月30日、スカイライン・リフト終点からの不法伐採を再確認』をうけてのものです。

それに関するコメントは
 「特別保護地区内では一木・一草・一石等も採取してはいけません。また伐採してもいけません。また、別な場所から植物・動物(最近よく犬 を連れている人に会います。これもいけないことです。)・その他の物 を持ち込んだり、植えたりしてはけません。
 他の植物の種子などを知らないうちに持ち込む場合もあるでしょうか ら、スカイラインやリフトを利用される人は登山口やゲートで足回り等 から付着している異物を払い落としてから、車に乗り込むことや登り始 めることに心がけて下さい。」

 今回の無断・不法伐採の目的は明らかです。それはリフト利用者で鳥海山頂までやって来る人たちに歩きやすさを提供することです。背をか がめてくぐれば歩けるのに伐っている・枝を手で払いのければ歩けるの に伐っています。その場所の木々に対する思いやりは微塵もありませ ん。あるのは利用者に対する配慮だけです。この点から推量すると伐っ たのはだれなのか、その輪郭がおぼろげながら見えてきます。


 先日、この鳥海山頂まで和服に草履履きでやって来た女性がいまし た。あまりの驚きに「一枚写させて下さい」とお願いして、承諾を得た上で写した写真がこれです。本人の名誉のため顔をぼかしてあります。
 鳥海山頂は海抜1500mを越えています。高山です。そこの道を 都市の道路と同じように歩きやすく改変してしまえば、都市感覚のままでやって来る人は後を絶ちません。お客さんは増えるでしょう。しかし、現場はあくまでも海抜1500m以上の高山です。危険がいっぱ いです。
 
 草履やサンダル、中にはハイヒール履きの人もいます。足をくじいたり、生爪をはがしたり、骨折したりすると一人では下山出来なくなります。そこで、救難ヘリコプターを要請するなんてことになれば、これは大変なはた迷惑なことです。責任のとれない行為は慎みましょう。
 また、そのような人をチェックして注意を与えることをスカイラインとリフト関係者に望みたいと思います。口頭で注意を喚起することに抵 抗があるのならば、せめて注意事項を掲示板にして読んでもらったらいかがでしょうか。
 
 山の道は都市の道ではありません。枝が突き出たり、ぬかるみがあっ たり、岩がごろごろしていたりというのは山の自然の姿です。その山の 自然を変えないためには、そこへ行きたいと考えるあなた方が、山に登る人に変身しなければいけないのです。

和服姿に草履履きで鳥海山頂にやって来た女性・9月24日 に撮影