鯵ヶ沢スキー場拡張計画とは?(既に完成し営業されていますが...)

 時は西暦2000年。青森県西津軽郡鯵ヶ沢町ではスキー場開発が進められようとしています。「冬期アジア競技大会」なるものを実行させようとする政財官が、一丸となっておしすすめる環境破壊行為の記録を残します。
 鰺ヶ沢スキー場拡張計画とは、現在の鰺ヶ沢スキー場の東側に位置する大鳴沢流域の森林約10haを伐採し、急傾斜の上級コースとする計画です。
 拡張予定地には、樹齢130年を超すブナ(直近の地図にも「129」と記載されています)や、ヒノキアスナロなどが混在したすばらしい森林です(拡張工事の特集を参照)。また、クマゲラの採餌痕()や、ニホンザリガニも確認されており、ずさんな環境アセスや県の審議会のあり方が問われています。


  • あれこれ文字で説明するのもなんですから、鰺ヶ沢の広報誌コピーの写真をお見せします。
  • 全体見開き(広報あじがさわより)
    (画面を拡大しても読めない方、文章の内容に関心のある方は鰺ヶ沢町役場などから取り寄せてね。つぶれた文字でよろしければ、私からFAXもいたします。)

  • 図面拡大図(みごとに大鳴沢にかぶっています。)

  • 岩木山周辺地図

  • 拡張後の岩木山の写真、むかって右手の中央部が拡張コース
    ( 既存のコースは写真枠外のさらに右手になります。)

  • 大鳴沢(写真)の水は、山を下ると鳴沢川になります。他に湯船川鍋川(上建石川)に分水され広く農業用水に使われています。

  • 鳴沢川はとっても危険な川だと、県(土木事務所)自身のお墨付きで、少し下流域では砂防ダムがせっせと作られ、2000年中に完成しました。なのに上流域ではスキー場は作っても大丈夫だというのです。同じ水系内だというのに、言うことに整合性が無く自己矛盾を抱えています。

  • 各方面から出されている問題点を箇条書きに列挙していきましょう。
  • 極めてずさんな環境アセスメント。また、改ざん疑惑が残されたままである。
    計画区域をふくらますことにより、残地森林面積を減らし、国の基準による環境アセスを行わなくてもいいように数字を操作。それでも一応ということで、単なる天下り団体に調査させる。これにも、明らかにワープロの自体が異なる箇所があります。

  • 冬期アジア競技大会を視野に入れた、早急で不透明かつ強引な行政手続き。
    5人の自然環境審議委員から、審議のやり直しの意見書が出されたのは異例のことです。

  • イヌワシ、クマゲラの希少動物や、ツキノワグマなどの野生動物が確認されている。
    行政や、調査では「可能性は少ない、極めて少ない」などの一点張り。少ないとは、少し可能性があることを意味していることがわからないのでしょうか?。

  • ブナ林、ヒノキアスナロ林の保全。
    2次林とはいえ樹齢150年以上も経っており、クマゲラの採餌木も確認されています。古文書では旧鳴沢村の住民が、水田の水源涵養(かんよう)のために、植樹したと記録されています。

  • 土壌の流出や土石流発生の危険性が高く、百沢のような惨事も発生しかねない。
    大きなものでは、平成に入ってから現在の「ながだい荘」付近では、大雨による水害が起きた記録があります。

  • 鳴沢川流域730世帯の地域住民(農民)の反対の声が高く、彼らの生活基盤の崩壊を招く危険性が高い。
    平成10年の冬に、一度だけ集落説明会が行われただけ。その後はさっぱり...。密室で進められてきた計画です。冬場10名増のスキー場雇用と、農家の損害はどちらが大きいか?。答えは明らかですね。

  • 既に徳明川の水量の減少や水質悪化などがおきており、スキー場開発の弊害が既に事実としてある。