岩木町主催の岩木山清掃登山に本会も参加しました。
来年以降も、会員内外の参加をお待ちしております。


2003年 7月6日(日) 次のコースに分かれまました

コース1 山頂・鳥海山頂・8合目ターミナル付近
コース2 百沢登山道
コース3 岳登山道(コース1〜3はスカイライン経由バスで移動して、下山しながらゴミひろいをします。)
コース4 百沢と岳の間(遊歩道)
コース5 桜林公園付近


 本会がこの行事に参加していく方向を表明したのは昨年からです。しかし、昨年は実現しませんでした。そこで、2月末に発行した会報の中で会の活動方針案として提示しました。さらに、今年の総会では正式に会活動として承認されたので、5月発行の会報にも年間の調査登山と併記して、会員のみなさんにお知らせしてあることは承知のことと思います。今回は主催者から「初めて参加した岩木山を考える会」と紹介されました。

 岩木山を愛してやまない会員のみなさんですから、「岩木山をきれいにする」という清掃登山には、おそらく相当数の参加者があるのだろうと予想していました。ところが残念にも予想は大きく外れて10名に満たない参加者でした。
 当日、開会セレモニー後、バスでスカイラインターミナルまで、そこからリフトで鳥の海噴火口近くまで、そして、指定された百沢登山道の分岐点まで移動しました。

 百沢登山道を下山しながら「ゴミ」を拾い集め、それを収集して桜林まで運ぶことが私たちの任務です。本会の他に、弘前警察署、県自然保護課の方々がこのパーティのメンバーです。主催者側からの指定がなかったものですから「山になれている・登山道に詳しい・下山時の安全確保が出来る」などの理由から、本会会員が暗黙の了承というのか、パーティのリーダーとなっていました。私たちの判断で「登山道の概要・集中的にゴミを拾う場所の指定・ゴミ搬送の方法・拾うゴミの種別範囲」を伝え、確認してから行動開始です。

 ゴミは花と同じように下山しながらだとあまり見えないものです。しかも、草木の繁茂がピークに達しているこの時期はその陰に隠れて、ますます見えないのです。そのせいもあったかも知れませんが、落ちている「ゴミ」は総じて少なかったと思います。参加者から「登山者のマナーが向上しているのではないか。」という声も聞かれました。

 それでも拾い集めたゴミは、燃えないもの(空き缶・空き瓶・プラスティック)を中心に大きなビニール袋で4つになりました。そのうちの3つをアルミ製の背負子につけて会員のTさんが、1つをMさんが手に持って下山しました。燃えるゴミは各自が手に持ったり、ザックに入れたりして集積場所の桜林に運びました。それらを加えると、私たちが運んだゴミの総量は大きなビニール袋で7つになりました。途中の焼止り小屋では小屋内の清掃もしました。


大沢左岸の崩落箇所に剥き出しになって残置されているエスロンパイプ

 私たちの目についた「燃えないゴミ」には、30年ほど前に錫杖清水から焼止り小屋とスキー場上部に「水を引いた大量のエスロンパイプ」があります。この「水引き施設」は圧雪によって1年で壊れてしまい、自然にとって最大の異物である燃えない「ゴミ」となったのですが、そのまま残置されているのです。距離が長いので大量です。個人が勝手に設置したものではないでしょう。使えなくなったらゴミですから設
置者が責任をもって撤去するべきです。設置したのは一体誰なのでしょうか。無責任にもほどがあります。この大量のエスロンパイプ、折ることも切ることも出来ず、さらに大沢左岸の崩落箇所に剥き出しになっていたり、危険なため近づくことも出来ません。焼止り小屋近くには剥き出しのものが延々と続きます。写真にはありませんが直径が3〜4cmとかなり太いものが数本剥き出しになっている場所もあります。と
てもボランティア活動で出来る範囲ではないので、数十センチに断裂したものを少しだけ収集しました。
 とにかく、一日でも早く設置者または設置母体が責任をもって撤去してくれること期待します。撤去作業への協力もしたいと思います。
 この「エスロンパイプ」は焼止り小屋近くから目につきだし、錫杖清水までの間数カ所で見られます。標高1300m近くで見るこれは異物の何ものでもなく「景観」をまったく損なうものです。おおぜいの登山者はこれを見て、きっと見たくないものを見たと、がっかりしているに違いありません。

 
焼止り小屋付近の登山道にそのまま放置されているエスロンパイプ

 あまり目につかないのですが、この他に残置されているものに、「電話線」があります。これはかつて無線電話のなかった時代に、山頂−鳳鳴小屋−焼止り小屋・山頂−鳳鳴小屋−スカイラインターミナルに有線電話(電池式で手回しで呼び出しベルを鳴らす方式のもの)を引いた時のものです。雪が消えたばかりの頃には腐りもしない黒いビニール被履の線がよく目につきます。Mさんはそのために使われた重さが1kgを越えるほどの「角形の鉛電池」を収集し、その他にガラス瓶などを多数入れた袋は相当重かったようで、腕が痛くなったと言っていました。

 本気でゴミ拾いを考えるならば時季を選ぶ必要があります。「ゴミ」拾いに最適な時季というのは雪消え間もない頃か、草木の枯れる秋遅くだろうと思います。

 私たちがゴミを拾い集めながら下山している途中で、
・ 弘前大学探検部(約10名)
・弘前大学パラグライダー部(30数名)
・ 一般登山者の2グループ(1つは30数名・1つは10数名)
に出会いました。

ゴミを拾いその袋を持つ姿を見て、出会った多くの人から感謝の言葉を戴きました。この行動がますます登山者の意識向上につながっていくことを意識すると同時にそうなることを願わずにはいられませんでした。
 弘前大学の学生の中には3人ものMさんの教え子がいたそうです。「ありがとうございますと言われて嬉しかったよ。」とはMさんの弁です。


お問い合わせ
岩木町役場 0172-82-3111
岩木山を考える会事務局 iwakiyama-aki@mtf.biglobe.ne.jp