第1回 岩木山調査登山の報告

■5月18日■赤倉登山道■参加者数8名

※ 調査および行動
a 無許可のうちに整備された登山道の状況確認(毎年雪消えの頃調査している。)

b 積雪・残雪の状況確認

c 高山植物の生育調査

d 登山道に見られるコメツガ(米栂)の人工的な変遷・変化

e 登山道沿いのゴミの確認(石仏への供物・信者の社付近の廃材や生活材)

 雪渓・残雪については5月26日付「登山道情報」で報告が済んでいます。

 雪消え直後なので人工的にはめ込まれた石が浮き石となっている箇所がかなりあります。それにともない決壊しているところも見受けられます。今後ますます決壊は増大するでしょう。ミチノクコザクラ等は順調な生育を示しています。ただ、これまで
見受けられない場所で粗毛瓢箪木(アラゲヒョウタンボク・別名、オオバヒョウタンボク)が咲いていました。写真で分かるように「元気のない奇妙な姿」でした。まだ本格的に信者が登って来る時季でないので新しいゴミは見られませんでしたが、石仏
の供物台には昨年のものと思われる酒瓶、袋入り菓子等が、またその下や裏側には古い空き缶・空き瓶が目立ちました。特に鬼の土俵のゴミがひどい状況でした。信仰心とゴミを捨てていくという心理とが結びつきません。どうなっているのでしょう。ま
た、以前登山道を整備した時の残存物(青色シート・バケツ・空き缶・土掘り出し具類)が、さらに信者の社屋付近の汚い廃材や生活材が目につきました。

  今回のメイン調査は「登山道に見られるコメツガ(米栂)の人工的な変遷・変化」です。大きな変化は、登り降りをする信者の邪魔になるコメツガそのものや枝・幹の「伐採」です。
 標高が1000mを超えるところでも、地面を這うようにして生えている太いものは直径が60〜70cm以上あります。樹齢は700から800年以上と考えられます。これは植生上からも貴重なもので「一信者の勝手な判断で伐採」が許されるもの
ではありません。今からでも遅くはありません。これ以上手をかけないように注意・監視し、行政もそのような指導を加えるべきです。国定公園を管理する県には報告をしていますが、現場の確認はおろか、指導等何一つしていないのが現状です。
これについては登山道整備のまだされていない1994年6月に撮影した写真と今回撮影したものとの比較で説明します