岩木山の各登山道情報 (2002年9月15日現在)
印は簡単な花の情報です)

季節は秋です。夏山登山と同じ感覚で登ることはやめましょう。

1、日が短くなっています。日暮れはまさに釣瓶落としです。太陽が西に傾き薄暗くなったなあと思っているうちに直ぐ暗くなります。

2、晴れの日ほど日が暮れると放射冷却で直ぐに寒くなります。

3、標高100m高くなるに従い0.6度下がります。

4、風速1mで体感温度は1度下がります。以上のことを十分考慮して、午後3時には麓に下山しているようにしましょう。防寒着、雨具は秋の登山の必携装備です。花はキク科のものなどに限られてきます。これからは早ところの草紅葉と沢筋の紅葉、高いところから眺められる尾根筋の紅葉と常緑樹であるハイマツ、米栂(コメツガ)などのコントラストが楽しめます。ハシバミ、ヤマブドウ、アケビなども登山道沿いには結構あります。


(1)百沢登山道 ・・苅り払いがされました。標識の古い物が撤去され、土留め兼用の足場も若干整備されています。大沢の岩の崩落箇所ではあいかわらず崩落があります。錫杖清水は「音を立てて湧き出して」います。お互い清潔に大切に感謝の気持ちで恩恵にあずかりましょう。
 
特に注意:鳳鳴小屋から上の第一、第二御神坂(特に第一の方)の登降時には「落石」に注意。この急登の岩石帯では行動の休止・停止は厳禁です。出来るだけ速く通過することが大事です。94年と99年に第一御神坂で死亡事故が発生しています。
 自分で石を転がさないこと。他人の転がした石には、その石から目をはなさず避けるようにする。落石を起こしたら大声で「ラクセキ」と叫んで下方にいる人に知らせる。人が落とさない自然落石への対応も同じです。基本原則は一列で登る、降りる
こと。登山道が広いといって横に広がったりジグザグな登り方、降り方をしないこと。対面登降を守る。右側登り、右側下降を守ると対面登降となります。岩に示されている矢印(赤いペイントでマーキングされたもの)に従うとそうならないところもありますから注意しましょう。

以上は岳登山道、またはスカイライン、リフト利用で山頂を目ざす人たちも十分注意して下さい。

ヒトクチメモ:「落石から身をかわすには・・・」
 その前に・・・・いくらスカイラインでやって来ても「山」は危険なところ。危険は自分で避けなければいけない。山ではすべてが自助努力で成り立っている。
 落石!という声がしたら山側(上の方)を向く。落ちてくる石から目をはなさない。そしてそれをかわす。かわせない場合はザックで頭を覆い、自分の背丈より大きな岩陰に、山側を向いて張りつく姿勢をとる。

見られる花
大沢まで:オヤマボクチ、エゾシオガマなど
大沢から頂上まで:ミヤマアカバナ、ヤマハハコ、シラネニンジン、オヤマソバ、エゾニュウ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマダイモンジソウなど

(2)弥生登山道 ・・大長峰と呼ばれるミズナラ、ウダイカンバ等の林を抜け、やや急登なブナ林を森林限界点で抜け出ると姥石と称される大岩があります。そこからは高原状の広い尾根が続き、視界が開けます。タカネナナカマドの赤い実とハイマツの新緑のコントラストが目を惹きます。残念ながらこのコースでは今の時期は花を楽しむことは出来ません。間もなく目の前に耳成岩が望まれると山頂は直ぐです。山頂に近づいたら踏み跡を丹念に辿ってください。山頂付近ではムツノガリヤスなどの稲科の植物が草紅葉となっていて見事です。このコースはできるだけ登り専用にした方がいいでしょう。下りの場合、山頂から高原状の広い尾根までは夏にのびた草が道にあって「足場」が不確かで転倒するおそれがあるからです。

ブナ林帯を抜けるまで:クロモジの実、マユミの実など
山頂まで:サワヒヨドリ、メイゲツソウ、ミヤマアキノキリンソウ、タカネナナカマドの実など

(3)赤倉登山道 ・・花を楽しむコースから信仰の道を辿るコースに替えて「33体ある石仏」を順を追って辿っているうちに大鳴沢の源頭に出ます。あとは山頂部の外輪を登ると頂上です。

鬼の土俵まで:マルバキンレイカなど
山頂まで:コケモモの実、クロウスゴの実、ベニバナイチゴの実、スノキの実など  

(4)長平登山道 ・・長平小屋跡から尾根に取り付く部分と松代口分岐点(古い棒きれが立てかけてあるだけ)からの藪が苅り払いされたので見通しがきくようになっています。ここからハリブキが多いので掴まるときには注意して下さい。

スキー場ゲレンデまで:ノコギリソウ、ソバナなど
山頂まで:オオバタケシマランの実、イブキゼリ、シラネニンジンなど

(5)岳登山道・・ほぼ完璧な夏道状態で快適な登降ができます。現在(8月18日から9月30日まで)、この登山道を「整備」工事をしています。本会が要望したことをうけて、今のところ「道の拡幅」「伐採」「新道開削」「化学的・無機質的な異物の持ち込み」等は見られませんが、自動車等の進入によって壊された登山道の整備工事に、資材搬入のために「キャタビラ付き重機」を使用していることなどは、はなはだ矛盾だと思います。この整備された登山道をみなさんが実際に登降した感想やご意見などをお待ちしています。
 このコースを麓から登る人もリフト利用で登る人も、百沢登山道の中でふれられている注意事項を遵守して下さい。特に足回りには注意して下さい。サンダル、ハイヒール等はいけません。
 また、手に物を持ったり、腕に手提げ等をさげて登ることも厳禁です。転倒したときに体を支えるのは「手」です。いつでも両手を使えるようにしておくことが危険なところの登り降りでは大切なのです。

*注意:特に「落石」については百沢登山道の注意事項を遵守してほしい。

スカイラインターミナルまで:ミヤマママコナなど
山頂まで:ヤマハハコ、カワラナデシコ、ナガボノシロワレモコウ、ノコギリソウ、アキノキリンソウ、シラネニンジンなど