岩木山の各登山道情報 (2002年8月2日現在)
印は簡単な花の情報です)


(1)百沢登山道 ・・大沢の岩の崩落箇所ではあいかわらず崩落がある。錫杖清水は「音を立てて湧き出して」いる。お互い清潔に大切に感謝の気持ちで冷たい水の恩恵にあずかろう。
 種蒔苗代上部の登山道沿い右側に小さな「風穴」があり、気温の高い日には「冷風」が吹き出していることがよくわかるので確かめてみたらどうだろう。
特に注意鳳鳴小屋から上の第一、第二御神坂(特に第一の方)の登降時には「落石」に注意。この急登の岩石帯では行動の休止・停止は厳禁。出来るだけ速く通過することが大事である。94年と99年に第一御神坂で死亡事故が発生している。
 自分で石を転がさないこと。他人の転がした石には、その石から目をはなさず避けるようにする。落石を起こしたら大声で「ラクセキ」と叫んで下方にいる人に知らせる。人が落とさない自然落石への対応も同じである。基本原則は一列で登る、降りること。登山道が広いといって横に広がったりジグザグな登り方、降り方をしないこと。対面登降を守る。右側登り、右側下降を守ると対面登降となる。以上は岳登山道、またはスカイライン、リフト利用で山頂を目ざす人たちも十分注意してほしい。

ヒトクチメモ:「落石から身をかわすには・・・」
 その前に・・・・いくらスカイラインでやって来ても「山」は危険なところ。危険は自分で避けなければいけない。山ではすべてが自助努力で成り立っている。
 落石!という声がしたら山側(上の方)を向く。落ちてくる石から目をはなさない。そしてそれをかわす。かわせない場合はザックで頭を覆い、自分の背丈より大きな岩陰に、山側を向いて張りつく姿勢をとる。

見られる花
大沢まで:ニガナ、タニギキョウ、ヨツバムグラ、ミヤマタニタデなど
大沢から頂上まで:ミチノクコザクラ(大沢の右岸)、ノウゴウイチゴの実、ミゾホウズキ、ミヤマアカバナ、ヤマハハコ、エゾシオガマ、シラネニンジン、オヤマソバ、エゾニュウ、ミヤマアキノキリンソウなど

(2)弥生登山道 ・・毎年、弥生部落の青年部「結友会」が苅り払いをしているので道を失うという心配はない。ありがたいことである。
 大長峰と呼ばれるミズナラ、ウダイカンバ等の林を抜け、やや急登なブバ林を森林限界点で抜け出ると姥石と称される大岩がある。そこからは高原状の広い尾根が続き、視界が開ける。間もなく目の前に耳成岩が望まれる。山頂は直ぐだ。標識は所々で破損、紛失のため設置されていない状態であるが、道に迷うことはない。ムツノガリヤスなどの稲科の植物が風になびいて美しい。

ブナ林帯を抜けるまで:クルマユリ、ヤマサギソウなど
山頂まで:シロバナニガナ、サワヒヨドリなど

(3)赤倉登山道 ・・大鳴沢源頭の雪渓は消えた。

鬼の土俵まで:カラマツソウ、イワハゼなど
山頂まで:カラマツソウ、コケモモの実、ウコンウツギ、ミヤマキンバイ、ミチノクコザクラ、シラネニンジン、アキノキリンソウ、ネバリノギランなど

奇妙な赤倉登山道・・・ 幅の広い登山道。使われている石はすべて掘り起こしたものだ。登山者が自分たちの足幅、歩幅似合わせて何年もかけて、いわば「自然」に造り上げてきた道とはまったく違う「人工の道」だ。ここを利用する信者たちへの配慮は篤いが、自然生態系への配慮は感じられない。それにしても広い道幅である。横並び4人は可能だろう。以前の道の3倍以上に広がった。
  二カ所にわたって深い穴がある。これが排水溝の役割をする。斜面に沿って、もう穿たれているのが解る。(写真1写真2を参照)
 最近、赤倉登山道から山頂に向かう者が多いのだが、その中には県外からの登山者もいる。

 先日、横浜から来たという登山者に大開で次のように話しかけられた。

『登山道沿いに掘られた溝、穴が沢山あるが何のためのものなのか非常に不思議だ。登りながら次々と出てくるそのことが気になってしようがなかった。ずっと続くんですよね。不可解なのです。私は全国の山をかなり登っているのですがこんな不思議な登山道は初めてだし、どこの山にもこんな登山道はない。あれは何であり、何のためのものか。ひどいことです。よく行政が黙っていますね。明らかに自然破壊でしょう。』

 赤倉神社のある信者が神のお告げといって「他信者の登拝が出来るだけ容易、かつ楽で安全」なことだけを念頭において「整備」した結果、皮肉にも逆に信仰の道を毀損し、自然を破壊して、どこの山にも見られない不思議で奇妙な登山道になってしまったのである。
  とにかく、「歩きやすく、登りやすい登山道」の対極には自然を壊しているという厳然とした事実があることを忘れてはいけない。

(4)長平登山道 ・・長平小屋跡から尾根に取り付く部分と松代口分岐点(古い棒きれが立てかけてあるだけ)からの藪が苅り払いされたので見通しがきくようになった。
 石神様にトイレが新築されたが、その古いものやそのほかの金属類の廃材を大きな穴を掘って棄ててある。尾瀬の小屋問題もあることだ。関係機関で正しく処置するよう指導してほしいものだ。 
 また、スキー場最終ゴンドラ到着点(標高約900m)までスキー場の自動車が入っている。この分だと登山者も自動車を利用したいと言い出すかも知れない。「ゲレンデの緑地」が義務づけられているはずなのに、その緑地を引きはがすような自動車運行はおかしいだろう。

スキー場ゲレンデまで:トラノオ、クルマユリなど
山頂まで:エゾクロクモソウ、コバギボウシ、ミチノクコザクラ、イブキゼリ、シラネニンジンなど

(5)岳登山道・・ほぼ完璧な夏道状態で快適な登降ができる。今、この登山道を「整備」するという。みなさんが実際に登降した感想やご意見などをお待ちしています
*注意:百沢登山道の注意事項を遵守してほしい。

スカイラインターミナルまで:リョウブ、ノリウツギなど
山頂まで:ヤマハハコ、ノコギリソウ、アキノキリンソウ、シラネニンジンなど