岩木山の各登山道情報 (2002年7月3日現在)
印は簡単な花の情報です)


(1)百沢登山道 ・・大沢は約400mにわたって雪渓があり、所々切れている上、穴が多く危険だから辿らないほうがいい。岩の崩落箇所ではあいかわらず崩落がある。錫杖清水付近の残雪は消え、清水は「音を立てて湧き出して」いる。
 お互い清潔に大切に感謝の気持ちで冷たい水の恩恵にあずかろう。不浄にも清水の噴出口近くで「糞」出をした者がいる。バチがあたるかも知れない。
 視界が不十分の場合は踏み跡を丹念に辿ることがベターである。
 鳳鳴小屋から上の第一、第二御神坂(特に第一の方)の登降時には「落石」に注意。この急登の岩石帯では行動の休止・停止は厳禁。出来るだけ速く通過することが大事である。94年と99年に第一御神坂で死亡事故が発生している。
 自分で石を転がさないこと。他人の転がした石には、その石から目をはなさず避けるようにする。落石を起こしたら大声で「ラクセキ」と叫んで下方にいる人に知らせる。人が落とさない自然落石への対応も同じである。基本原則は一列で登る、降りること。登山道が広いといって横に広がったりジグザグな登り方、降り方をしないこと。対面登降を守る。右側登り、右側下降を守ると対面登降となる。以上は岳登山道、またはスカイライン、リフト利用で山頂を目ざす人たちも十分注意してほしい。

見られる花
大沢まで:ハクサンチドリ、ベニバナイチヤクソウ、ジンヨウイチヤクソウなど
大沢から頂上まで:ミヤマキンバイ、ミチノクコザクラ(雪の融けた大沢の両岸が見ごろ、)、ノウゴウイチゴ、ミゾホウズキ、イワウメ、イワヒゲ、ミヤマガラシ、ツマトリソウなど

(2)弥生登山道 ・・山頂まで残雪の心配はない。毎年、弥生部落の青年部「結友会」が苅り払いをしているので道を失うという心配はない。ありがたいことである。
 大長峰と呼ばれるミズナラ、ウダイカンバ等の林を抜け、やや急登なブバ林を森林限界点で抜け出ると姥石と称される大岩がある。そこからは高原状の広い尾根が続き、視界が開ける。間もなく目の前に耳成岩が望まれる。山頂は直ぐだ。標識は所々で破損、紛失のため設置されていない状態であるが、道に迷うことはない。

ブナ林帯を抜けるまで:ウメガサソウ、ジンヨウイチヤクソウなど
山頂まで:ハクサンチドリ、ウラジロヨウラクツツジ、ミチノクコザクラ、イワウメ、イワヒゲ、イワカガミなど

(3)赤倉登山道 ・・大開までは完全に残雪はなく道がはっきりしている。大鳴沢源頭の雪渓は縮小。間もなく消えるから心配ない。
  「赤倉登山道沿いに33体の石仏が番号順に並んでいます。1番が500mほどの高さにあり、33番が1450mほどのところにあります。この写真は8、9番のものでブナ林の中に立っています。8番は夏緑の濃い緑衣をまとい微笑んでいました9番は山側から降りてくる霧をまとい静かに瞑想していました。心が癒されます。」

鬼の土俵まで:マイヅルソウ、エゾタケシマラン、カラマツソウ、イワハゼなど
山頂まで:ゴゼンタチバナ、コケモモ、オオバスノキ、ウコンウツギ、ミヤマキンバイ、ミヤマガラシなど  

(4)長平登山道 ・・西法寺森直下の雪渓まで、残雪は完全にない状態。登山道上で積雪に覆われた部分はない。
 長平小屋跡から尾根に取り付く部分と松代口分岐点(古い棒きれが立てかけてあるだけ)からの藪が苅り払いされたので見通しがきくようになった。 

スキー場ゲレンデまで:イチヤクソウ、ウメガサソウなど
山頂まで:ショウジョウバカマ、ツマトリソウ、サンカヨウ、イワハゼ、イワウメ、イワヒゲ、ミヤマキンバイ、ミチノクコザクラ、ハクサンシャクナゲなど

(5)岳登山道・・ほぼ完璧な夏道状態で快適な登降ができる。今、この登山道を「整備」するという。整備とはどうすることで、何故整備の必要があるのか、みなさんが実際に登降した感想やご意見などをお待ちしています
*注意:百沢登山道の注意事項を遵守してほしい。

スカイラインターミナルまで:ハクサンチドリ、ノリウツギなど
山頂まで:ミヤマガラシ、ミヤマガラシ、ミヤマキンバイ、ウコンウツギなど


ヒトクチメモ:「落石から身をかわすには・・・」
 その前に・・・・いくらスカイラインでやって来ても「山」は危険なところ。危険は自分で避けなければいけない。山ではすべてが自助努力で成り立っている。
 落石!という声がしたら山側(上の方)を向く。落ちてくる石から目をはなさない。そしてそれをかわす。かわせない場合はザックで頭を覆い、自分の背丈より大きな岩陰に、山側を向いて張りつく姿勢をとる。