岩木山では殆ど見かけることのない北五葉松を発見!


「三本まっか」の大木・キタゴヨウマツ(5月29日撮影)
図鑑によると、北海道と中部地方以北に生育していることになっている

 お断り:保護の立場から地図等で場所を明示することは控えさせていただきます。

 その場所はヤマナラシの老大木が在る点で伐採地と判りますがキタゴヨウが、それよりもずっと老いていることは一目瞭然です。
 岩木山は昔のように部分林の払い下げのような狭い範囲での伐採がなくなりました。狭い範囲での自然の攪乱は虫の発生にむしろプラスになります(里山)。ところが広い範囲で伐られることで山は不毛の地になりました。虫がいなくなってしまったのです。回復にはさらに数年かかるでしょう。
 反面ブナアオシャチャホコの大発生に見られるように、特定の種ばかりが増え、増加と減少を繰り返すようになりました。岩木山やその他原生のない地ではブナ林のブナアオシャチャホコの大発生が見られます。しかし、白神ではこのような周期現象はないようです。

 岩木山にキタゴヨウマツが生育しているという情報は会員の斉藤真人さんによってもたらされました。岩木山にキタゴヨウマツが在るという話しは聞いたことがなかったので確認に行くことにしました。
 場所は鰺ヶ沢スキー場拡張ゲレンデを通り、次の沢と二つめの尾根を越えた標高700m位のところです。
 それは沢に出来た火山性堆積物の積もった(大型の岩が埋まっている)所に生えていました。一本のみですが天をつく大木でした。
 根元から1m位のあたりで枝分かれして三つの枝になっているいわゆる「三本まっか」の大木でした。
 「三本まっか」は「山の神が止まる木」であると言われ、木こりたちは伐らないといわれています。そのために伐採を免れたのでしょうか。 枝の直径は約65センチ、枝分かれの下の幹はその周囲が237センチでありました。
 この例からも分かるように「岩木山には生えていない」とされている樹木や草花もほかにあるかも知れません。あるがままの岩木山を後生に残していくには今の「岩木山」をちゃんと知る必要があります。
 私たちが数年前に生息を確認したクマゲラですが、その後も「見た」とか「鳴き声をきいた」とかいう情報はあとをたちません。
 私たちの情報を認めず「生息していない」と言い切ってスキー場拡張を許可した森林管理局・県自然保護課等行政はその後、「いない」と言い切った責任を賭して調査をしているでしょうか。
 私たちはクマゲラのみならずいろいろな視点での生育・生息調査を続けております。


同じ場所の同じ「三本まっか」の大木・キタゴヨウマツ・これは残雪のある4月上旬に撮影・周りの木々はまだ葉をつけていない。