本会が開講しているNHK弘前文化センター講座「津軽富士・岩木山」今、まさに佳境…

 今年4月から本会が担当して開講しているNHK弘前文化センター講座「津軽富士・岩木山」も佳境に入ってきた…。
 2005年8月21日には青森県立郷土館の小山隆秀さんを講師に『岩木山と信仰』・(変貌する岩木山信仰)について勉強をした。受講生は定員15名を充足している。

その時使用したレジメに見られる重要な事項として次のようなことがあった。
『 岩木山信仰のあらまし
(1)「お山」、「お岩木様」、津軽の総鎮守
 津軽地方のランドマーク的存在、津軽のイメージシンボル
(2)多面的な信仰
・神道、仏教、民俗宗教のミックス(女神安寿姫、ハヂ、北陸からの台密系信仰)
・近世:岩木山三所大権現
  (厳鬼山一阿弥陀如来、赤倉山一十一面観音、鳥海山一薬師如来)
・信仰の二面性
  百 澤 寺(岩木山神社) = 「表」、代々の支配者による崇敬、公的鎮守
  赤 倉 沢        = 「裏」、個人救済 』

今月(9月)11日は「岩木山と信仰」学習の内容を受けて、テーマを
「信仰の二面性
  百 澤 寺(岩木山神社)= 「表」、 代々の支配者による崇敬、公的鎮守
  赤 倉 沢       = 「裏」、
  個人救済 」

に絞って9月11日に実地見学を次に示すパンフレット(別紙1枚目2枚目に従って実施した。


当日最後に訪れた鬼沢の「鬼神社」・多くの農具が奉納されている


巌鬼山神社の大杉(樹齢1200年以上・枝と幹の間に別種の木が根付いている
・この杉が植えられた時からこの神社はここにあった。今の百沢にある岩木山
神社はここから江戸時代初頭に移されたもの・巌鬼山は訓読みするとイワキヤ
マとなる・千数百年も前から人々の岩木山に対する素朴な信仰は、赤倉沢中部
流域から下流部山麓が中心であった。                  

 

赤倉・宝泉院別院よりも奥にある坊邸の石像の前で記念撮影

受講者の感想は:
 ・「二種類のおそれ、つまり山の神の恐れと畏れを感じた。」
 ・「民間人の信仰心の深さと多様性、岩木山は多くの人たちから崇められてきたことが分かった。」
 ・「昔、岩木山信仰の中心はこのあたりだったことがよく分かった。それが今も息づいていることに驚いた。」
 ・「上の行堂に行く途中や大石神社から見た山麓と津軽平野から、津軽地方の農業地帯は岩木山の北東部から南東部にかけて開けていることがよく分かった。この赤倉沢はちょうど扇形に開かれた農業地帯の要に位置しているようだ。」
…などであった。

 受講者は今回の「実地神社めぐり」で多くのことを発見し、学んだようである。