第34回自然観察会「秋の二子沼」 2004.10.10

 観察会当日見た花(ガンクビソウ)
 下見をしたのが8日でした。その時からすでに台風22号のことが話題になっていました。気象庁は本州縦断するという見通しを立てて、下見参加者のある 人なども気象庁の見解を信じて「10日は台風直撃、観察会は中止」などと言っていました。私は気象庁の予報に疑義を持っていました。
 それは、例年10月10日はお天気の特異日で好天になることが多いこと。また、10月の台風で太平洋沿いに北進するものは東にそれることが多いこと。 東にそれると強風の心配は殆どないこと。さらに10月に入ってからの気温の低下と大陸性の高気圧によって早々と勢力を衰えさせて温帯低気圧に変わってし まうこと。
…などなどから、直撃はまずないこと。東にそれる台風が秋雨前線を吸引してしまい、台風一過の晴天となるだろうと踏んでいました。

 ところが、東にそれすぎてしまい、日本海にある秋雨前線を残して行ってしまったのでした。そして、小雨の降ったり止んだりという天気になりました。
 そのようなお天気の時には、大体誰も「ブナの森」には入らないものです。だれも入らないような時に入ったものですから、これまた、誰もが出会えないような濃霧に煙るブナ林や二子沼という幻想的な風情にも出会えました。

 また、秋に咲く神秘な白い花、曙草(アケボノソウ・右の写真)にも出会えたのです。林下の倒木やミズナラの根元には多くのキノコがありました。ムキタケ、アカツ ブレなど採りながら自然の観察をしました。
 ミズナ(ミズ)のムカゴを味噌漬けにすると言ってたくさん採取した人もいました。
 来春、雪どけを待って咲く花々はすでに花芽をつけていました。冬を前にして多くの植物は、枯れ果てて死に絶えているように見えますが、その実、必死になって生きていることがよく分かりました。
 参加者20名全員、二子沼の風情に感動し、森の生き物に驚きながら、すべての観察コースを無事に歩き終えました。
 ただし、申し込みした人員の三分の一が欠席しました。すでに「保険料」を納入済みなので残念でしたが、天気次第という要素があるのでやむを得なかったと思います。

二子沼をバックに参加者全員の記念撮影
(ただし、撮影者は写っていません。足場が悪くて三脚が使えなかったのです。)

二子沼(上の沼)10月8日撮影   二子沼(下の沼)10月8日撮影