第三十回自然観察会の報告
岩木山大石神社から赤倉沢不動の滝まで


写真1参加者全員記念撮影 残念ながら見えないが、大しめ縄を背景に記念撮影

左写真2 不動の滝 第三十回自然観察会は十月五日(日)に開催された。昨年実施の湯ノ沢観察会の時期的、天候的反省から今年は二十日早めて実施した。

 申込者数はしめきり時点で三十数名であった。ところが、前日までの悪天のせいな のか不参加者が十名にもなってしまい、しかも当日朝に一人が無届け欠席で参加者は 二十一名となった。  しかし、天気はちょっとだけ小雨にあったものの青空がのぞくなどと恵まれた。幽 谷・赤倉沢の深部から振り返ると遠く青森市や陸奥湾、下北半島まで見渡せたのであ る。

 

右写真3 修験者のための岩お堂

 阿部東、竹谷清光、佐藤竹郎各氏がリーダー・講師を勤めて、大石神社→堰堤用道 路(岩お堂、しめ縄、不動の滝)→赤倉沢参道→赤倉講社屋(湧き水)→赤倉神社 (奥の宝泉院)→大石神社という全コースを元気に観察・鑑賞して予定よりも少し早 く終了した。

 講師の説明を聞いて参加者からは
「これほど大規模の堰堤が必要なのか。」「堰堤 を造るために道路を造り、そのために出た土石を新旧の堰堤に捨てているのでは、埋 まってしまい堰堤本来の機能を果たさないのではないか。」「堰堤上部が駐車場や土 砂堆積場となっているが、これでは何のための堰堤か解らない。」「この堰堤工事は 工事のための堰堤だろう。」「参道整備のために掘り起こされた穴は無惨だ。」など の意見が出された。「堰堤」とは「河川・渓谷の水流や土石をせき止めるための堤防・ダム」である。 参加した方々が疑問に思うのも無理はない。

 

写真4 赤倉沢をまたいで造られた工事用の道路

 実際、この堰堤敷設にはおかしいことが多い。  写真(4)は赤倉沢をまたいで造られた工事用の道路である。この上と下には堰堤 がある。もし、土石流があったらこの道路も「加担」して下部の堰堤を直撃すること になるのだ。  さらに不思議なことは下部では道路が堰堤を越えている。すでに道路という土石流 が堰堤を埋めているのだ。  また、最上段の堰堤は、完成してまだ二年だというのに、そのコンクリート壁の先 端まですでに土石に埋まっていた。古い写真と比較すると堰堤上部に重機で岩石を移 動させた形跡がある。