第25回自然観察会 岩木山湯段地区
岩木山と沼をバックに、ススキ波打つ前で。参加者全員いい顔です。(写真1)

今回は約30人の参加者で行われました。朝方少し曇っていましたが次第に雲がはれ、お昼ちかくには快晴となりました。場所は岩木山湯段地区のミズバショウ沼と黒滝渓流一円でした。
 観察主題は「木々の葉っぱ」と「自然の中の人工物・その評価」で会が用意した「ノート」に観察しては記入して歩くというものでした。それにもう一つ「秋の味覚を楽しむ」ということでおいしいキノコ汁・大鍋二つをいただきました。

ミズバショウ沼(写真2)は昔から津軽の人々に親しまれてきました。四季をとおして、沼を前景とし、岩木山を後景とした構図が多くの人に愛され絵画、版画、写真にと描かれてきました。春はミズバショウやザゼンソウ、夏は蛍が飛び交い、湿原性のミズチドリ、カキラン、ミソハギなど、秋はコガネギクなどが咲いていました。

 ところが3年ほど前に青森県の主導で、ここを「農村公園」にすることになりました。なんと赤土で盛土をして芝生を植え、藤棚を建設し駐車場、トイレまで造るというのです。それだけではありません。 沼周縁にアスファルト道路を、沼上に八つ橋状の歩道橋的な桟敷まで造ろうとしていました。まったく自然環境を無視した計画でしたので、私たちは 「景観」と「植生」を損ねないものにしてして欲しいと県と岩木町に対し申し入れをし、話し合いを数回持ちました。その結果、「景観」はほぼ昔からのものとして残りました。しかし、植生のほうはかなり変わってしまいましたので、今も沼の周りにある木を芝地に植えることなどを要求しています。
  
 黒滝渓流(写真3)はミズバショウ沼から約2キロにあるうっそうとした自然林に囲まれ、深山の風情を満喫できるところです。かつて、この近くでクジラの化石が発見されたことがありました。
 秋の沼沢の風情を楽しみながら、秋でなければ見ることが出来ないものの「観察」を十分しました。


たまたま見つけた千振り(センフリ)。この時期に咲く花は少ない。(写真4)


本会では年に3回自然観察会を開いています。
 今年は3月、大平沢で「動物の足跡」と「木々の芽だし」を、珍しく猿の足跡を発見しました。 
 5月には、百沢登山道の山麓部を中心に「花」「野鳥」「昆虫」、それに「自然の中の人工物評価」に取り組みました。
 会員以外の一般市民の方の参加もお待ちしております。詳しくは事務局まで。