三浦章男事務局長の急逝について

2011年2月 岩木山を考える会 会長 阿部東

 三浦章男事務局長が昨年(平成22年、2010年)11月29日に腎臓ガンで急逝されました(69歳)。病気がわかって1ヶ月余り、あまりに早い旅立ちでした。やり残された仕事のことを考えると、かえすがえす残念で悔しいことですが、これも定めと諦めざるをえません。現在2ヶ月を過ぎやっとショックから立ち直りかけているところです。三浦が情熱を傾けて取り組んだホームページです。これからも岩木山を考える会の大きな活動としてとらえ、続けていきたいと考えています。

三浦章男氏のご冥福を祈る 合掌


岩木山のアオモリトドマツについて


Web上で確認できた記事の記録画像。2011年2月現在では全文は読めません。

 三浦がまだ闘病中11月初めに東奥日報に岩木山のアオモリトドマツを守りたいという記事が掲載されました。三浦には残された日がいくらもない(事実1ヶ月しないうちに亡くなられた)中から岩木山のアオモリトドマツを守って欲しいと訴えている凄絶(せいぜつ)な記事でした。そこで三浦の意志を第一にとりあげ、岩木山のアオモリトドマツの現状とそれを守ることの意義について確認したい。

資料)
岩木山のアオモリトドマツ(2010年6月〜9月)(三浦章男ブログから、6枚紙面に収めるために一部編集)
 A4-6ページ。PDFファイル、サイズ300kb弱


補足事項

* 10数年前に牧田肇先生とこのアオモリトドマツの観察に行ったことがある。駐車場の南側にある少し高い山の下側に迷わず行き着いたが、3本確かに生育していた。岩木スカイライン側には、除雪の雪を捨てないようにお願いした。
*2010年9月10日、三浦、斉藤、阿部で岩木山スカイライン駐車場のレストハウスを南側に移す工事が始まっていた中、アオモリトドマツの現状を調べた。ところが会社の幹部でさえ、アオモリトドマツのことは聞いているが「どれがそれかわからない」という状況に驚き、スカイライン関係者の方にもアオモリトドマツの場所をお知らせした。
*現地の調査では、3本のうち一番太かった1本は倒れて根元のあたりに朽ちた状態で確認された。次に太い一本は枯死して、立ち枯れの一部が残っていた(会報52号)。ただ一本だけが現在も生存していることが判った。
*2010年9月22日発行の会報52号にもアオモリトドマツ探しをしようと提案されている。私は過去雪が消える頃、7年続けてこのあたりから西法寺森あたりにかけて探したことがある。西法寺には自生するという風聞や、耳成岩の下にあるという噂があったからであるが、アオモリトドマツは確認できなかった。

 スカイライン駐車場のあたりは、岳登山道を登っていくと湯の沢の源頭をすぎて初めて出会う平坦地である。かなりの面積があり、赤沢との境界尾根の一部でもあり。「館があった」といわれる理由もわかるような気もする。今は全く謎であるが、アオモリトドマツが生えていることだけは事実である。
 もともと自生してたにしろ、植栽されたとしたら歴史上さらに重要であることは論をまたない。(日本海側の豪雪がアオモリトドマツの生育を妨げたとする説にはあまり賛同しかねるー八甲田も豪雪地である)

 この物を言わない重要な証人は、将来、岩木山の自然、ひいては日本海側の山々にアオモリトドマツが自生しない理由も含め重大な証言をしてくれる可能性がある。

阿部東