「アジア冬季競技大会抗議行動について」

 私たち「岩木山を考える会」ではブナやヒバが切られ、そのために追い出されたクマ、クマゲラ、ザリガニの身になって、その実情と自然保護の大切さを訴えてモーグルスキー競技当日、現場でゼッケンを着け、英語等で記載されたチラシ配付(別紙参照)を行いました。なお、その場にはスポーツジャーナリストの谷口源太郎さんも駆けつけてくれました。

 1999年5月31日に県自然保護課、地域振興課、鰺ヶ沢町、コクド鰺ヶ沢スキー場と合同で「スキー場拡張計画地の現地視察」を実施しました。その視察後、鰺ヶ沢町役場で五者で話し合いを持ちました。この話し合いはマスコミは排除という条件付きのものでしたが、その時スキー場支配人は「アジア大会では拡張コースは使用しない。」と明言したことを複数の本会会員が確認しています。

 このように大会では使わないとしていた鰺ヶ沢スキー場拡張コースで開催されたモーグルスキーには、女子が日本とカザフスタン2カ国6名だけ。男子は日本、モンゴル、カザフスタン3カ国7名がエントリーしただけでした。
 しかし、その後巧みに表現をすり替え宣伝が行われ、人気女性選手目当ての5000人もの観客が集う場となりました。その場に流れる音楽やディスクジョッキー風のエントリーアナウンスと、「スノーモービル」の送迎で次々と現れる大会役員の姿には、「自然との調和」という大会スローガンは微塵すら感じらないものでした。

 この場所では、3000本以上のブナとヒバがきられてしまい、クマ、クマゲラ、ザリガニなどは、住んでいた場所を追い出されました。そして、山麓部の農村では水不足への懸念や、土石流や水害の恐怖が広がっています。